華不魅

鉄錆廃園(てつさびはいえん)」 華不魅(かずみ)

喪失と虚無を抱えた者たちの
創世と消滅 創造と破壊
そして 共生と再生に至る物語

完結を見る事が出来るとは、思ってもいませんでした。
書店の棚に、新書館発行で、分厚いA5版の4巻セットが並んでいるのを発見した時には、我が目を疑いました。
しかも4巻は、(完結巻)となっていますよ。
当時のコミックス、全部手元にあるよぉ~と悩んで、コミックス未収緑分と書き下ろしが入っている4巻のみを購入。
結局4巻は、当時のコミックス6巻に、未収録分と書き下ろし合わせて約100ページ程が追加で収録させています。
欲を言えば、未収録分と書き下ろし完結だけで、7巻完結編として欲しかったです。
あとは、カラーページを多数再現とか、、、。

現在(いま)は無き(株)青磁ビブロス、B6版コミックスの1巻が、1991年 5月10日発行。
(株)ビブロスに変わって、6巻が1997年 6月 5日発行。
もう細かいところは、すっかり忘れているよ・・・と、
書棚の奥に眠っていたのを発掘して、最初から読み直しました。

人界と魔界、調整者の天人、どちらの世界とも異質なトゥエ。
科学の進歩の結果、自らも無機質な存在へ進化させ滅んでいった古代王国。
古代人を守護する者として生み出された天人のみが残され。
古代王国の名残の遺跡、等々、一見ファンタジーですが、その世界構築の根底には、SF的硬質な設定があります。
魔法と科学が、違和感無く同居している世界で、
現在(いま)読んでも、全く古さを感じさせない内容です。
細かいところをチェックしながら、何度も読み直すでしょう。

難を言えば、作者最初の長編連載の為か、展開が早く、場面転換が唐突で、登場人物たちの関係が把握し辛いです。
いろんな要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれています。
後の長編、ハードSF寄りの「GLAMOROUS GOSSIP(グラマラス・ゴシップ)」、神話に突出した「一天四海(いってんしかい)」、「夜光雲(やこううん)」の萌芽と見られるネタもあちこちに。

同じく未完のままの、「GLAMOROUS GOSSIP(グラマラス・ゴシップ)」も完結させてくれないでしょうか?
もともと同じ、新書館ですし(笑)

奥付データ:
通常コミックス版
1. 1991年 5月10日・初版 (株)青磁ビブロス
2. 1992年 2月24日・初版 (株)青磁ビブロス
3. 1993年 2月10日・初版 (株)青磁ビブロス
4. 1994年 1月20日・初版 (株)青磁ビブロス
5. 1996年 6月 1日・初版 (株)青磁ビブロス
6. 1997年 6月 5日・初版 (株)ビブロス 
愛蔵版
4. 2009年 8月10日・初版 (株)新書館

2009.12. 8 記

PageTop

Home